新盆
今年の初めに祖母が他界しました。
新盆を迎えた先週、葬儀に参列できなかった主人と娘たちを連れて、母の実家を訪ねてきました。
静岡の山の中にある母の実家。
客間には立派な祭壇が置かれていました。
娘たちは祖母とは殆ど面識はないのですが、それでもどことなく神妙な顔をして、手を合わせてました。
クーラーのない部屋で、扇風機だけを回して。
たまに外から入る風を受けながら冷たいお茶を飲んだりして。
蝉の声。風の音。強すぎる夏の日差し。誰かの煙草の匂い。
おばあちゃん。
私のこの景色の中には、いつもおばあちゃんがニコニコ笑っていた。
ちっちゃい体であっち行ったりこっち行ったり、本当によく働くおばあちゃん。
私たち孫には本当に優しかった。
終わってしまったんだな。
楽しかった記憶だけ残してくれた。
田んぼと畑に囲まれたあの場所で、いとこたちと遊んで遊んだ記憶。
忘れない。わすれない。
おばあちゃん。
ありがとう。今回は会いに行けて本当に良かった。
主人と娘たちを連れていけてよかった。
私は、この家族と一緒に、幸せに暮らしています。
今頃、牛の背中ににちょこんと座って天へ帰っている頃でしょうか。
おじいちゃんと手をつないで。